そうは言うけれど
"私"の意識をある勢力が支配する。身の危険が起きれば直ちに現前する。偶然の下に引かれた伏線によってそれは必然に変わる。
音楽が自分の内から生成されてゆく過程を当人はただ眺めていることしかできない。
楽想は赤ん坊の独り歩きよろしく、自ずと生長してゆく。それを観察し、書き留めておくことが作曲家の務めである。観察された対象(ノエマ)になんらかの意図的な介入(置換・分離・伸縮のあらゆる変更)を経て、1つの作品に収斂する。
愛らしい楽想くんたちは自由奔放に、ときには厳格に振る舞う。